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架空恋歌
Fictitious Love Song



死ぬほど嫌いと女が言った
死ぬのは誰かと男は問うた



いやはや 二人を照らした蛍光灯は
チカチカとまたたきはじめて
そろそろ取り替えなければならないのです

あなたの作ったカレーライスは
なるほど 確かにおいしかった
ところでタマネギを入れ忘れてやいませんか

いらなくなったものを捨てるのに
ゴミ箱の空きぐあいはちょうどいいですね
明日は不燃物の日です



牛乳だ!
牛乳を飲め!
牛乳を飲めば 肌はつやつやとして
顔つきはふっくらとして
奴はきっと おまえの頬に手を伸ばす
さあ 牛乳を飲め!
飲むんだ!



女は口元の寂しさにガムを噛み
男は口臭を気にして歯を磨いた

 ガリリチャクチャクチャク
 チャクチャキチャクチャキ

 シュシュシュシュワッシュ
 シャシュシシシシシュシワ

子供らが二人の側に寄ってきて
早く公園から出るよう忠告した



次は誰ですか
あなたの番ですか
クラブのキングが出たら
次はエースからですか
次は誰ですか
私の番ですか
ハートのジャックを
誰か止めていますか
ジョーカーは
ここで使えますか
次は誰ですか
あなたの番ですか
あなたの持ち札は
なくなりましたか
どちらの勝ちですか
ここはどこですか
あなたは誰ですか
今 何時ですか
時計の針は動いていますか



死ぬほど嫌いと女が言った
死ぬのは誰かと男は問うた

「どちらかといえば あなた」



雨が降っています
蛙が鳴いています
ひしゃげた蛙を見るのが怖くて
私はもう外に出られないのです
(2006.05.30)

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